- 2024/11/30
とんこつラーメンチェーン
「一蘭」の歴史、
画期的なシステムによる急成長から、
コロナ禍における苦境、
そして起死回生を狙った
カップ麺開発の裏側と挫折までを、
ずんだもんたちの掛け合いで描いた
ビジネス転落・奮闘劇です。
1. 「一蘭」の誕生とずんだもんの修行
前身の歴史
1960年、
福岡市の屋台「双葉ラーメン」として創業し、
1966年に小郡市へ移転して
「一蘭」と改名。
真ん中に唐辛子ベースの
「赤い秘伝のタレ」を乗せるスタイルが特徴。
引き継ぎ
初代大将夫婦の引退に伴い、
修行を積んだずんだもんが
屋号と味を買い取り、
引き継ぐ形で新生一蘭の1号店をオープンしました。
2. 急成長を支えた「画期的システム」と特許戦略
激戦区での顧客獲得に向け、
ずんだもんは街頭アンケートから
「女性が1人でも入りやすいラーメン店」
という革新的なコンセプトを導き出しました。
味集中カウンター
厨房や周囲からの視線を気にせず
ラーメンに集中できる個室風の席。
女性客の心理的ハードルを下げると同時に、
雑談が減るため
「回転率の大幅な向上」をもたらしました。
その他のシステム
客との接触を最小限にする
オーダーシステム(人件費削減)、
他言語対応の券売機。
(外国人観光客・インバウンド需要の取り込み)
特許の取得(2003年)
安易な模倣(パクリ店)を防ぎ、
ブランド力と独自性を保つため、
「味集中カウンター」や
「空席表示システム」などの
店内接客システム
丸ごとの特許を取得しました。
結果
1993年の創立以来、
一度も業績を落とすことなく
右肩上がりに成長。
2019年には
過去最高年商288億円を達成しました。
3. コロナ禍による激震と繁華街出店のリスク
2020年の
新型コロナウイルスの世界的な流行により、
一蘭のビジネスモデルは
大きな打撃を受けます。
一等地家賃の重荷
仕事帰りのサラリーマンや
観光客をターゲットに
「繁華街の一等地」
へ多く出店していたため、
外出自粛による客足の途絶えと
高い固定費(家賃)が経営を直撃。
24時間営業や
時短要請の壁にも阻まれました。
テイクアウトの苦戦
在宅の地方・郊外の住民は
近くの飲食店を利用したため、
繁華街中心の一蘭のテイクアウト
(生麺・トッピングセット)は
想定の半分も売れませんでした。
高価格帯(インバウンド価格)への反発
観光客向けの強気な価格設定
(ラーメンとしては高価)は、
コロナ禍で収入が落ちた
国内の一般消費者から
敬遠される要因にもなりました。
4. カップ麺開発の光と闇、そして「公取委」の調査
巣ごもり需要に対応し、
ブランド力強化とお土産商品の販路拡大を目指して
「一蘭カップラーメン」を全国発売しました。
消費者の反応
具材が一切入っていないにもかかわらず、
1個490円(当時)という強気の価格設定に対し、
SNS等で「庶民を舐めている」といった不満の声が上がります。
小売店への価格強制(独占禁止法違反の疑い)
売れ残ったカップ麺が
小売店(スーパーなど)で
値引き販売されることを嫌ったずんだもんは、
ブランドイメージ保護のために
「安売りしないよう小売店に圧力をかける」
という暴挙に出ました。
これが価格の拘束にあたり、
公正取引委員会(公取委)の
立ち入り調査を受ける事態に発展します。
唯一の救い
カップ麺の露出により
公式通販サイトの売上は
前年比3倍を記録し、
日本の「お土産文化」の強さに助けられる形で、
新たな収益の柱としての立て直しを図る
結果となりました。
結論
一蘭は
「味集中カウンター」や
「接客の効率化(特許システム)」によって
インバウンドの寵児となり
急成長を遂げましたが、
その
「繁華街依存」
「観光客向けの高価格」
という強みが、
コロナ禍において
すべて裏目(弱点)に出てしまいました。
行き過ぎたブランド管理から
法的トラブル(公取委の調査)も経験しましたが、
現在は
とんこつラーメン以外にも
通販・お土産商品の強化を進め、
好循環への復活を模索しています。